近年、共生社会の実現に向けたインクルーシブ教育システム構築のために、交流及び共同学習の実施が推進されている。交流及び共同学習における合理的配慮の提供のためには、まわりの子どもたちの障害への理解が必要不可欠であると考え、本研究では障害理解の発達段階をもとに、小学校6 年間の系統性を考慮した障害理解教育の全体計画を作成し、道徳の時間を活用して、3 年生と6 年生で授業実践を行った。今回の授業では、この全体計画をもとに教材や発問等の工夫とともに、ユニバーサルデザインをより一層意識することで児童の学習意欲を高めることを大切にした。その結果、多くの子どもたちが障害理解の発達段階の「気づき」の段階に到達することができた。また、まわりの子どもたちに理解されにくい見えない障害(発達障害)の理解教育についても取り扱い、その有効性を検証した。