本研究では、どのようなソーシャルサポートが、母親の養育態度にどんな影響を与えるかについて検証することを目的にして、未就園児を育てている母親105名を対象に質問紙でアンケート調査を行った。中道・中澤(2003)の親の養育態度尺度、堤・堤・折口・高木・詫摩・萱場・五十嵐(1994)、堤・萱場・石川・苅尾・松尾・詫摩(2000)の地域住民用ソーシャル・サポート尺度を修正したもの、田邊・米澤(2009)の自己評価尺度の3尺度を用いた。人から情緒的なサポートをされると、こどもに「応答的」な対応ができるが、具体的サポートはこどもへの「統制的」なかかわりにつながりやすいことが示された。「応答性」には、全ての情緒的サポートが影響しており、「統制」には影響していないことから、人から情緒的サポートされると、人は応答的な対応ができる。「統制」には自己効力感のみが影響していることから、自分だけで子育てができると思える人は、自分だけに閉じられた子育てをしやすいということが言える。また、応答性の高い母親は、こどもとの愛着形成が結びやすく、統制の高い母親は、こどもとの関係性に課題をもつ可能性が示唆された。