平成29年版『中学校学習指導要領解説社会編』では、地理的分野における「地域調査」について、地理的な事象を見いだし、事象間の関連の発見過程を体験することで、地理的な追究の面白さを実感できる学習が求められている。ところが、現在の中学校地理的分野の教科書では、事象を成り立たせている要因を調べ、関連を調査する学習プロセスの指導が十分に行われていない。本研究ではこの課題に応えるために、英国の地理教科書KEY GEOGRAPHY SKILLSから「書くこと」におけるいくつかのレッスンを紹介し、地理的事象に関する仮説の立て方について丁寧な指導を行うことが、仮説検証のために何を調べればよいのか子どもが見通しをもって学ぶことのできる学習につながりうることを示した。