本研究は、男子のビーチバレーボール選手とバレーボール選手を対象に、スパイクジャンプにおける助走・踏切局面に着目した3次元動作分析からそれぞれのスパイクジャンプ動作の違いを明らかにし、今後の指導の一助とすることを目的とした。被験者は、男子ビーチバレーボール選手(平均26.2±4.4歳)とバレーボール選手(平均23.6±1.8歳)、各5名とした。それぞれスパイク動作を全力で行い、1歩助走と被験者が一番高く跳べるフリー助走の2種類を行った。その結果、踏切右足が接地する際、ビーチバレーボール選手の足の裏の面は砂に対してフラットとなっているのに対し、バレーボール選手は踵接地で足の裏の面はネットに向いていることが明らかになった。また、ビーチバレーボール選手はバレーボール選手に比べ、踏切歩幅が狭く踏切時に膝関節と股関節が屈曲し、膝関節および股関節の可動域を大きく活用して跳躍していることが示唆された。腕振りに関しては、ビーチバレーボール選手は両足に力を加えるために腕を振り下げているのに対し、バレーボール選手は右足に力を加えるために腕を振り下げており、両者とも体をあげるために腕の振り上げ動作を行っていると考えられる。